整形外科と聞くと、傷や骨折の治療を行う診療科というイメージがあると思いますが、実は似たような診療科目に形成外科というものがあります。整形外科は主に骨や関節、その周囲の筋肉など、身体の動きに関係する部分を専門的に診ていく診療科のことを言います。これに対して形成外科は、皮膚や筋肉の傷や組織の異常など、全身を対象に診ていくのが特徴です。

ちなみに、形成外科に分類されるものの中に美容外科が存在しますが、美容外科は患者を診るというよりも、美の追求したい人のケアが中心になります。まぶたの二重手術や鼻を高くする手術、脂肪吸引や豊胸など、人の見た目に関係する施術を行うため、病気の治療とは一線を画します。そのため、保険適用外の施術を行うケースが多いようです。美容整形外科で働く看護師の仕事内容も一般的な形成外科とは大きく異なるので、看護師がこのどちらかの診療科に転職をする際は、違いをしっかりと把握しておきましょう。

ちなみに美容外科では施術は完全予約制となっており、看護師が残業をすることは滅多にありません。また、看護師の仕事内容はカウンセリングや美容機器の操作が中心で、手術以外では採血や点滴を行う機会もほとんどないでしょう。したがって、美容外科に長く勤務していると、一般的な看護技術が維持できなくなる可能性があります。ですから、将来のキャリアを見据えて診療科選びをしなければ、後々後悔することになりかねません。